優生保護法
第一章総則(この法律の目的)
第一条 この法律は、優生上の見地から不良な子供の出生を防止することを防止するとともに、
母性の生命健康を保護することを目的とする。
第二条 (定義)この法律で優生手術とは、生殖腺を除去することなしに、
生殖を不能にする手術で命令をもって定めるものをいう。
第三条 医師は、左の各号の1に該当する者に対して、本人の同意及び配偶者があるときはその同意を得て、
任意に、優生手術を行うことができる。但し、未成年者、精神病者または精神薄弱者については
この限りでない。
以下省略
優生保護法は1948年(昭和23年)から1996年(平成8年)まで制定されていた法律です。
現在では、母体保護法と改名されています。
先日、最高裁大法廷で、この法律が憲法違反にあり、国に賠償責任があると示されました。
私がまだ医学生だったころは、優生保護法は人工妊娠中絶ができる要件を定めるものとしか習いませんでした。
産婦人科医の何となく触れてはいけない領域の法律だと思っていました。
今、改めて条文を読むと、なんと非人道的で尊大な法律だったかと恐ろしくなります。
未成年者、精神病者または精神薄弱者とされた方は、医師の独断で優生手術ができたのです。
現在の医療者は、他人事としてではなく、自らの不知を恥じ、二度とこのような法律ができないようにしなければなりません。
最近では、コロナ感染症の流行時の政府のとった行動制限や移動制限ははたして行き過ぎた人権侵害ではなかったか?
その検証は後世に委ねられるでしょう
令和6年7月5日
2024-08-08 16:54:34
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